天上大風

建築継承研究所(以下、継承研)は2023年8月4日に創業した会社ですが、2024年3月まではいわば準備期間。
4月から代表・樋口智久が継承研の専任となることで、本格的にスタートを切りました。
退職と独立のご報告にお祝いの言葉をくださった皆さん、本当にありがとうございました。
香山建築研究所の大先輩である河合俊和さんには、継承研の門出と、代表の息子の初節句を記念し、「のぼり鯉」を製作していただきました。
黒いのぼり鯉には金太郎さんが乗っていますが、息子の名前から一文字取って「結」と書かれたまさかりを担いでいます。箱書きには良寛さんが子供に頼まれて凧に書いたと言われる「天上大風」の文字。いろんな方と結ばれながら、上空の風を掴んで高く飛んでほしい、という意味が込められています。
伝統は、残すのに大きな労力を必要としますが、私達が生きる意味を付与してくれるもの。これは建物も同じで、壊し、新しくするだけが全てとなった街にはその意味が欠けています。
残された良い建物を生かしつつ、街の古典になるように何ができるか、これから試行錯誤していこうと思います。伝統が降り注ぐ金色のチリとして感じられるように。
Tradition is a kind of golden dust that falls (Louis I Kahn)

樋口 智久

株式会社建築継承研究所 代表取締役

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